もしかしたら二つ見たのかもしれないし
見ていなかったのかもしれない。
でも、見たような気がしたままの方が幸せなので、
見たことにしました。
一体どっちの方向から流れて来るのか、どれがふたご座なのか
ちんぷんかんぷんのまま
でもオリオン座だけはよく分かり
あとは特別扱いはなく「星」で
近所の公園まで出掛けていって、なるべく暗い場所を探して空を見上げました。
しかし、
ここは暗くて恐いなと思っていたはずの大きな池のほとりすら、
流れ星を探すには明るい。
あんまり落ちて来ないので、池で眠っている鳥を探しました。
今度は暗過ぎてよく見えない。
と思っていたら、小さな浮き島の茂みを背に
ぷかり。
ああこんなに寒いのに。
生まれ変わっても鳥にはならないでおこう。と冬にはいつも思う。
ためしに「わ」と声を上げてみたら池も木々も揺れ
餌をもらえると勘違いしたのか、
真っ暗な闇の向こうからわらわらと水面を滑って来る影。
一羽、また一羽と目を覚まして
静かな夜を鳴きながら白い固まりがぼんやりとやってくるので
恐くてちょっと後ずさりながら戯れを謝り、帰りました。
耳が痛かった。
もうすぐクリスマスだ。