『沈黙を破る』
シグロで制作された、新作のドキュメンタリーのご案内です。6月12日迄。
ぜひ足をお運び下さい。
私は手持ちカメラの映像に弱いので前半はきつかったですが、見なければならなかった作品です。
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『沈黙を破る』のことをもっともっと宣伝しなければ、と思って
でもなんと書いたらいいのかと書いたり消したりしているうちに時間が過ぎました。
(ほんとはその前にも、書きかけの記事が幾つか隠れています。)
でももう終了が近くなってきたので、とにかくお知らせします。
このごろ滞っていてごめんなさい。
でも元気です。
そうだ。
こんな記事が出ていたのを教えてもらいました。
うれしいなあ・・・。
副音声の仕事以降、随分五感を意識して生活をするようになりました。
気をつけていないとやはり視覚聴覚に頼って日々を暮らすことは多い中
皮膚や舌が感じる世界の奥行きを、特に寒い暑いという日でもなく、すごく美味しいわけでもまずいわけでもないという時にどのくらい感じられるのか
集中すると驚いたのは時間の流れ方が変わったことでしょうか。
そして世界は以前よりずっと鮮やかに飛び込んでくるようになりました。
『ミルコのひかり』
「あんたなんかに私の気持ちは分からない」
と言われたことが
きっとどんな方の人生にも一度はあるでしょう。
その度にいつも私はそうだなとうなだれながら、せめて
なんとか冷静に世界を観察しようとつとめて大人になりました。
でも冷静なんて土台無理な話しです。
所詮世界は個人の目から見たものであり、脳みその虚像です。
これは全て私にしか見えない世界である。
当たり前ですが、そのことにようやく諦めがついたので、今は静かに体を鍛えています。
鮮やかに鮮やかに世界を掴まえられるそのような身体を持って
しっかりと、掴まえたものを伝達しなければいけないと
最近はそんなことばかり思いますが
なにぶんのほほんと生きてきたので時間があまりありません。
どのくらいの仕事をして今後役に立ってこの世を去れるのかわかりませんが
とにかく今朝は、えのき茸と、ほうれん草と、椎茸と、長葱と、鶏肉と卵で
おじやを作って食べました。
緑茶も呑んでコーヒーを飲んでこの文章を書いています。
豊かであります。それが私の現在です。
その現在が、もし世界に起きていることの全てを地図にしたらどの位置にあることなのか。
それは二次元の地図ではなく、四次元でも五次元でもなく
見えない地図でありますが
想像力によってそれぞれの脳みその中で出逢うことの出来る無限の地図です。
その地図をより確かなものとする為にもっとアンテナを張らなければならないのにと
焦燥感に駆られるうちに日が暮れます。
ライブはそのうちやりたいと思っています。
もうちょっと時間をください。
『指先で紡ぐ愛』
ちなみにこの、光成沢美さんの著作『指先で紡ぐ愛』は、ドラマ化されており
当時オンタイムで見ていたことを、本を読みながら脳の中でふと再生された役者さんの声を聞きながらはっと思い出しました。
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「結婚あるいは共に生活していくということは、たとえばぼくの場合、君と生きていくか、誰か別の人と生活するか、あるいはだれとも結婚しないか、という三つのパターンを比較して、どれが自分にとって幸福なのかをぎりぎりいっぱい自ら予測・選択する人生のギャンブルなのだと思う。そしてそれは、もちろん君にとっても同じことだ。だから君が幸福になるかどうかなどについて、ぼくは何も言わないし言えない。君がそう思うならぼくと結婚すればいいし、思わないのなら去れ。それだけのことだ」
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ドラマの中で福島智役を演じていたのは
中村梅雀さんだったのですが
そのことをはっきり思い出したのは、記憶の中で聴こえてきた、
このプロポーズの台詞の最後の
「去れ。」
という言葉の鋭い音色でした。
脱線しますが、中村梅雀という役者さんに初めて注目をしたのは
大河ドラマ『八代将軍吉宗』の徳川家重役でしたが
梅雀さんの声にはいつも不思議な声紋が混じるような気がします。
家重がある日、自分を馬鹿だと思うかと吉宗に問うシーンで、ろれつの回らない口調で叫ぶ音は
はっきりではありませんが、遠い記憶の中に鮮明に刻まれています。
そんなことも思い出して調べたら、今はベーシストもやってらっしゃるのですね。