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Psalm of The Sea

psalm.exblog.jp

2006年 04月 30日 ( 1 )

緑の海

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日比谷公園を抜けて公会堂に向かう途中
苗木や植木をビニール袋にいっぱい入れて歩いて行く家族連れや
手をつなぐおじいちゃんおばあちゃんとすれ違いながら
ああ、そうか、今日は<緑の日>だったと思い出しました。

今にも雨が降り出しそうな灰色の空の下で
森は明るい緑の枝葉をざわざわと揺らしています

去年のちょうど今頃。

あの木々の葉のような明るい緑色のワンピースを着て私は
「小林はる」として35ミリカメラの前に立ち
不知火の海を見ていたのだっけ・・・
と、
空を見上げ歩いて行くと
その向こうに日比谷公会堂はそびえ立っていました。

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特別講演会「水俣病 新たな50年のために」

1956年5月1日、水俣保健所に「原因不明の中枢神経症患者が発生している」との報告がなされてから50年。

そのちょうど50年目の前日にあたる、2006年4月29日東京の日比谷公会堂で
水俣病の未来について考えるシンポジウムが行われるとの噂を聞き
私と、イメージ設計の海津研は『もんしぇん』を代表し参加をしてまいりました。

同じ日、シグロでは新作『OUT OF PLACE』の先行上映イベントが行われ、
『もんしぇん』監督の山本草介は、別のシグロ新作手伝いで沖縄に出張中だったからです。

本来スタッフとしてイベントを手伝うべきだったのですが、随分迷って
でも、やはり同じ不知火海を見つめ続けたものの一人としては
今日この場に集う方々と同じ空気を共有することが必然だと思い
お願いをして、こちらへの参加を決めました。


一時半の開場に合わせて公会堂に向かうと
既に長蛇の列が公園外から入り口まで続いています。

紙袋に入れてきたチラシを、慌てて配りにいく玉井と海津。
こんなところまできて、ヌケヌケとチラシなんぞ配っていいものか
と一旦は躊躇したものの
でも、この会場に足を運んでいらっしゃるみなさんにはいつか観ていただきたいのだから
と思い直し、列に並ぶ方々のところへ近づいて行きました。
中年の方、お年寄りの方、そして、随分と若い方々の姿が多くあります。
(映画の本チラシはまだ出来ないので、『脈動変光星』チラシで代用)

「天草で映画を作りました。シグロの新作です。よろしくお願いいたします」
と、列に沿ってチラシを配りながらご挨拶をしていくと
「あら、シグロの新作?今度はどんな映画を作ったの?」とお尋ねになる方々が本当に多く
シグロのこれまで築き上げてきたことの大きさに、改めて驚愕しながら
「今回はドキュメンタリーではなくて、フィクションです。
天草を舞台にしたファンタジー映画です。
どうぞよろしくお願いいたします。夏に公開します」
と言ってお願いをしていきました。

青と白の絵の具で描かれた「よたか」(海津研作)の絵を配した
『脈動変光星』のチラシが
列になって会場に続く人々の手に手に届いていく様は
まるで海に流れていく川のようです。

・・・ぽつり。

「ん?」

・・・・・・・・・・ぽつぽつぽつぽつぽつ

突然灰色の空の彼方から本物の雨粒が降ってきたので
お客さんたちはチラシで頭を覆い
私たちはチラシを抱え
会場へと入っていきました。

つづく。
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by Yoomi_Tamai | 2006-04-30 02:39