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Psalm of The Sea

psalm.exblog.jp

2006年 04月 24日 ( 1 )

『弥々』

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すごいものをみました。

なんでこんなにすごいのに、
これだけの数の人にしか見せてあげられないんだろうと、
もったいなくて、もったいなくて、

・・・・・ああ。

彼女に出会ったのはtptのワークショップでした。
演出家を囲み、参加者が大きな輪になっていたその一部に
放射するパワーの尋常でない、真っ黒い髪の毛をした真っ黒い服の女性が居て
「なんだろうこの人は。すごい密度の高い固まりだ」
と、目が離せず
もしかしてあの人は毬谷友子さんだろうか、と思ったら
やはりご本人だったのですよ

・・・と、ワークショップが終わって、飲み会でご本人にそう申し上げたら
「へー?密度の高い固まり?あははははっ!」

ほんとうにおもしろそうに笑ってくださり
(よく考えたら、不届千万な発言でした・・・)
その後、一人芝居をやるのでよかったら観に来てね
とお誘いを受け、千秋楽の今日
いって参りました。

北千住にあるシアター1010のミニシアターこけら落としになる、この
一人語り『弥々』の公演は
お父上であられる脚本家の矢代静一氏が
愛娘の為にお書きになった作品である
ということは
知っていました。

そのせいでしょうか。

熱くたぎる血の臭いがするにも関わらず
それは水のように青く透明な物語でした。

人魚のようにしなる体が光と闇の中を自在に動き回り
十六の少女がけたたましく笑ったと思うとあっという間に中年女となって男を罵倒しやがて
八十の老婆になったかと思えばまた
うら若き娘となり

・・・・・・それはまるで、海を泳いでいるような感覚でした。


「なるのなら、本物になりなさい」
二十歳の頃、ある方に呼び出され
言われたことがありました。

本物とは一体どんなものなのか
定義はよくわかりません
けれどそれは
一目見て分かるものなのだ
と思います。

もし、毬谷さんをまだご存知ない方がいらしたら、
そしてもし、知ってはいたけれどまだ目撃していないという方がいらしたら、
わたしは一人の目撃者として
強く言いたいです。

毬谷友子さんは、本物です。
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by Yoomi_Tamai | 2006-04-24 03:39