天草という土地に惹かれたこと。
Psalmという名前を付けたかったこと。
もんしぇんという物語を作りたかったこと。
鬼束ちひろという人物を大事に想ったこと。
私の中でそれは
全て同じところへと繋がっています。
私にとって今日は、大事な日でした。
これほどに 透明で まっすぐで 美しい歌い手が
今、この国にどれだけいるでしょう。
ほんとうの歌を抱えた歌い手が
どれだけいるでしょう。
「声を聞いて、その人物の体以上の風景や歴史が見える人は多くないけれど、
この娘にはそれが見えるね」と
彼女の歌い姿を見ていたあるおじさんは言いました。
おじさんは今日まで彼女を知りませんでしたが、
それは私がかつて彼女と出会いたいと思った理由と、同じでした。
マヘリア・ジャクソンの歌を初めて聞いた時
ああ、この人は光だ、と思いました。
なにをもってして彼女は光だと、私は思うのか。
人は光の中に何を見いだすのか。
2007年6月1日満月の宵から、2007年6月2日新たな物語の始まりの日に
玉井夕海